津波の後の悪循環

4月17日晴れ


今日は、みなと地区にて炊き出し。
先日の吉野沢団地にて、温かい食事をほとんど食べてない高台にある集落があるので、一度炊き出ししてほしい。という声がありました。

行ってみると、その高台のすぐ側は湾があり、水が走った後と、ここまで水がきたんだーということが、はっきり分かる道のりでした。

そこの集落は高台になってて、両側が海辺近くの集落でした。

聞くところによると、近くにある避難所の人たちは、配られる食事があたってる。自衛隊からは白いご飯のみ。
家が残ってて、避難所にいなくても生活できる人は、ライフラインも復旧してないし、物資もあたってないし、ご飯もあたってない。なので、自分たちで何とかしなきゃなんない状態。
避難所にいるふりをして、食事配給の時に、物資が配られる時に、避難所にいってもらいにいったりせざるを得ない。

地区によっては、避難所にいる人と家が流されてない避難所に滞在してない人たちの間で、差別意識が生まれてるところもある。

また、逆のパターンの地区もある。
地区の避難所は、生活センターや、町の施設など、地区の中心になってる建物が多い。なので、地区によっては、避難所に指定されてる建物で、地区の炊き出しを当番制でやってる。しかし、数多く炊き出しが出来ない事情がある。避難所以外の人には、地区の当番の炊事班の食事が優先的に配られ、避難所にいる人が、例えばバナナと白いご飯のみという地区もある。
聞くところによると、そういった避難所にいた人は、出ていかざるを得なくなり、どこにいったか不明になってる人も多いときく。
恐らく親戚や知人を頼り、また一つの家に何家族も身を寄せ合って暮らす。

そうすると、家が残ってるため、行政が配ってる物資や食事が届かない。
悪循環が生まれる。

ここ南三陸町は、津波の時点で、町の役場、災害対策本部が流されて機能しなかった。なので、避難したとこで、区長、リーダーのような人がお世話役になり、各避難所が始まった。
一つ一つ小さい自治区がある感じなのである。
いい意味では、地域力なのだが、避難所や地区によって、違いや温度差がはっきりある。

また、こんな話しもある。
電気が復旧したら、行政からの物資が、配られないという通達が出たらしい。
水の復旧が、八月ごろともきく。

仮設住宅の数も足りていない。

そんな状況で、住民は不安だと思う。

みなと地区での、チームやんじーの炊き出しは、分け隔てなく、おかわりも何杯してもいいってことで、大変喜ばれました。

みなと地区は、まだ電気も水も復旧してませんでした。
水は、井戸水を、近所のおじさんが提供してくれ、タンクに積んでくれました。

避難所からも、家が残ってる人も、一緒に並んで食べにきてました。
鍋をもってスープを入れ、麺を持ち帰った人が多かったので、恐らく高台で住んでる人たちが多かったのではないかと思う。

こちらの避難所前に拠点を構え、週三日ほど、炊き出しをしてるボランティア団体も合流しました。この団体は、ここの避難所から要請を受けて活動してるようです。
作る数が限られてて、名簿で配る人をチェックしながら配ってました。

あたる人とあたらない人がいたものの、私たちのラーメンメニューに合わせて、昼はおにぎり、夜は、いなり寿司を作ってくれました。

女の子が多いハツラツとしたボランティア団体でした。

明日で、けんじさん、ようちゃん、とっちゃん、やんじー、アグネス、このメンバーの炊き出しは、最後になる。
トイレがなくても、お風呂もしばらく入らなくてもなんとかなりそうなメンバー。アウトドアが好きなどこでも生き抜きそうなたくましいメンバー。
寝るのも、テントか車の中でした。

いつも笑いをさそってくれた若者三人組。
住民の方たちも、大変癒されたと思う。

今日も、気になってる箇所にご飯を届けて、名足保育園で、ドッチボールしてきてくれた。

私たちも行きたいけど、炊き出し準備や外団体との連絡や地区のお世話役の人との話しなどで、身動きとれないところをカバーしてくれました。ありがとう。

別れを惜しむかのように、ファミリーマート前に地域の人が、尋ねてきてくれます。
その中で、不安な気持ちや家族の事情など話してくれる。

ビニール袋に入った乾燥ふのりや、配給されたパンまでもって来てくれる人も。

中には、今日は、一緒にチームやんじーと酒を酌み交わしたいといってくれる家族。今日、避難所にお風呂できたからはいりにおいでよ。といってくれた人。

みんなくたくたで、すぐ寝てしまい、気持ちだけいただいた感じでしたが。

すっかり地域に解けこみ、地域の方も、炊き出しを喜んでくれたのかなあと感じました。

住民の方の精一杯の気持ちが伝わります。

私たち夫婦は、また、五月中旬に南三陸町に入ります。

引き継ぎで、やんじーの留守を守って、炊き出しをしてくれる届け隊のラーメン凪の二人。友人を何人か連れて炊き出ししてくれるとのこと。
私たちが南三陸町に入ったときから時々お手伝いしてくれ、大変助かってた二人でした。

ここ五日間は、一緒に炊き出しに回りながら区長さんに挨拶したり、レスキューキッチンの使い方を指導したりしてました。

やんじーのレスキューキッチンは、信頼のおけるこの二人に貸すことに。
若者たちが、やんじーの後ろ姿をみて、また引き続き炊き出しをしてくれるのはありがたいことです。

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