海の見える高台にある地域にて炊き出し


四月五日 快晴

今日も、南三陸町にて車泊。
今日の炊き出しは、南三陸町の馬場中山地区生活センターにて炊き出し。

ここは、海が見える高台で、町民センターという名の一軒家。
眼下の景色は、流された家がいっぱい。
120人程が、小さな町民センターに、ぎゅうぎゅう詰めで暮らしてます。

実は、三月三十日に、北海道に帰った生杉工房の大工チーム。前半は、ずっとチームやんじーの炊き出しメンバーでした。しかし、帰る三日前に、この地区の現状をしり、急遽、小屋を建てることになりました。

毎朝、最後の三日間は、朝早くから、大工チーム三人が、石巻市や仙台からこの地区に通い、家が完成しました。廃材を使って、風呂もある家です。

すばらしい仕事ぶりでした。

なので、若干、120人のぎゅうぎゅう詰めの生活も、少しだけど、緩和されたようです。

その大工チームから、この地区のみなさんの笑顔が、すごくあったかかった。と聞いていたので、大変楽しみにして、今日の炊き出しに臨みました。

行くまでの道が険しく、マイクロバス、トラックが、あがっていけるか、まずは、自転車で、ようくんが下見探索。

マイクロバスも、ようくんの運転で、険しい坂道をなんとか登りきった。

ようくんは、山や川が大好きなたくましい青年。
大型免許を持つようくんは、主に、マイクロバス兼食材庫を担当してくださってます。

自転車で、あちこち下見をしにいってくれたり、炊き出し時には、呼びかけ隊として、自転車にて、声をかけにいってくれます。
女性やお年寄り子どもに優しいフットワークが軽やかな青年です。
近々、拡声器で、ようくんが、自転車で走り回って、炊き出しのお知らせをしにいってくれるなあと楽しみにしてます。
けんじさんと、名コンビです。

今日のメニューは、昼は、ラーメン。野菜サラダ、フルーツ。

夜は、野菜たっぷり中華丼。ほうれん草おひたし。
150食。

みのりの大将さんも、一週間ほどですが、再度、登場。

地区のみなさんは、本当に、暖かった。

炊き出ししたご飯食べたから、元気に作業できたよ。
道具いっぱいあったらなあ、今度は、北海道助けにいくからさ。

そんな暖かい言葉。

昼と夜ごはんの間、日向ぼっこしてたおばあちゃん二人と話す。

ついてる杖を家の方に指差しながら、こっちからとあっちからと波がきて、家が流されたのを、ここから、見てたんだ。
ばあちゃんが、四才、昭和八年の津波より大きい津波だった。

と、いろいろ話してくださりました。

また、お茶碗洗いをしてたお母さん。
海を眺めて、肩並べて話しこみました。
家は、流されちゃたけど、こうしてボランティアさんがきてくれると、元気出てくるんだ。いつも、笑顔でないとね。

こんなに自分たちが海に近いとこに住んでたということに、流されて更地になって始めて分かったよ。

はたまた、生き方、人生論まで。

あそこの家は、流されなかったけど、行方不明の人がまだいるんだ。

いろんな話しがとびかった。

山側の人も、鍋をもって炊き出しのご飯を食べにきてくれた。

帰るとき、ずっと手をふってくれた地区のみなさん。

帰るときは、細い月が登ってた。
いつも車泊してる駐車場にむかう。

電気、水道、ガスの通ってないとこで、星空をみる。

今日も、無事終わりました。

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