5月に南三陸町に炊き出しに行きます。1年を振り返って、今後のチームやんじーの活動と展望

5月19日にアメリカのブルーミントンにて、チームやんじー応援チャリティイベントがあり、その時のお手紙をメイルで送らせていただきました。
チャリティイベントは、日本人のママさんグループが風呂敷ワークショップやお弁当ワークショップなど開催するようです。
以前、HPにも登場した大脇さんたちが中心になって企画されています。

長文ですが、今後の展開や1年の活動を通じて感じていることなど書いてますので、目を通していただければ幸いです。

アグネス

ブルーミントンのみなさまへ

災害救援ネットワーク北海道の山口幸雄(ニックネーム やんじー)と山口由里(ニックネーム アグネス)です。
いつも応援ありがとうございます。

3.11の東日本大震災から1年がたち、春の季節がやってきました。
季節は、どんなことが起こっても、正確に廻ってきます。

【被災地の様子とチームやんじーの活動】

私たちは、3.11の震災当初より、チームやんじー災害支援プロジェクトを立ち上げました。
まだ、なお支援活動を続けています。
代表のやんじーは、災害ボランティア歴35年。災害ボランティアの経験を何度も経験しております。
他の時は、自治体などで、防災について啓蒙活動や炊き出しを地域の方で出来るように指導しております。
また、北海道の札幌市の防災条例の作成委員や大学のボランティア論の非常勤講師を務めたこともあります。
主に、災害が起きるとすぐに被災地に出向き、全体のボランティアの統括指揮系統を作っていくコーディネーターです。

プロジェクトが立ち上がると、北海道だけでなく、全国、またブルーミントンの方たちを含め海外からも、自分たちの得意分野や地域の特性を生かしたチームやんじー後方支援グループがあちこちに自然発生的に広がりました。
現地から発信する災害救援ネットワーク北海道のHPは、多い時で、1日1000人を超えるアクセスもありました。
ブルーミントンでは、インディアナ大学生によるHPの翻訳チーム、ベーグル屋さんでのウッドコックさんのチャリティ写真展や大脇さんたちによるお母さんグループの折り紙のピアスなどのチャリティ販売など活発な支援活動をしていただいております。
本当に感謝しております。

今回は、甚大な被害だったことと、東北でコーディネーター役の人がいたので、食べるということに焦点を絞って支援してきました。

当初は、一度に百人分炊けるレスキューキッチンを2台、食糧や野菜、燃料など、5台の車に積んで、4か月に43000食もの炊き出しを行いました。
毎日メニューを替え、1日2食、多い時で、1日1200食の炊き出しを行いました。
主に活動していたのは、宮城県南三陸町の歌津地区というところです。福島原発からは、約150キロ離れたところです。

歌津地区は、報道も少なく、物資が来るまでに時間を要した箇所でした。
道路も寸断されて孤立化している箇所が多数あるとこでした。
私たちが入った時は、被災された方は、寒さでふるえ、あたたかいものが全く口にしてない時でした。
また、周辺では行方不明の方の捜索やご家族と自衛隊の方とのご遺体の確認などされていました。
そんな中、がれきがいっぱいのとこを、入れるところまで入って、炊き出しを行いました。
もちろん、電気、ガス、水道もありません。
被災された方は、

電気は、ろうそくで。
ガスは、プロパンガスの残りのガスでしのいで。
水道は近所の井戸水がある家まで汲んで。
そんな状態でした。

チームやんじーのメンバーも、トイレは、雑木林の中で、もしくは、夜が明けないうちに用を足しました。
お風呂は当然、何週間も入れない。
テントで寝ていると、物資がないか夜に物色される。
車の中で座ったまま、1か月寝泊りし、2時間かけて通う日々でした。

そんな中での炊き出しでした。




しかし、被災された方は、あたたかいものを食べ、おなかが満たされると、何か人の為に役にたちたい。という気持ちになりました。
行列の中、我さきにという方は少なく、助け合いの精神で炊き出しを食べにきてくださりました。
例えば、炊き出しがあると、近所の方に声かけをしたり、歩いては食べにこれない人を軽トラックの荷台に載せて、大人数で食べにきました。
また、私たちの炊き出しを手伝ってくれたり、炊き出しには欠かせない水のありかを教えてくれたり、生ゴミを自分の畑に捨てさせてくれたり、私たちも大変助けられました。

そのうち、夏が来て冬がきました。
仮設住宅は物資が、にわかボランティアさんたちが来ては配布するので、有り余るほどある。
しかし、家が半壊の人やあまり家の被害がなかった人は、仮設住宅にも入れず、孤立した状態で過ごしている。
買い物に行く車もなければ、物資もなかなか行き渡ってない。
ましてや、仕事もない。

今回、3.11の震災の被害を受けたところは、農村や漁村が多く、老人世帯の方が多数います。
そんな中、買い物に行けずに細々と暮らしてる方が多数おられます。
私たちは、炊き出しをして食べにきてくださっていた地域の人たちのつながりから、1件1件の家庭を回りました。
生活必需品や野菜や米、基本調味料、水など、状況に合わせて届けています。

12月に支援に行った際、私たち夫婦は、体調を崩しました。
咳や下痢、嘔吐などです。北海道に戻ると元に戻りましたが。
放射能の影響なのか定かではありません。政府ははっきりしたデーターなど示しませんが、水の汚染は広がってるのではと考えております。
津波で貯水池が塩害を受けていることも一因としてあります。
もちろん、震災当初も放射能のことは十分懸念した上での支援活動でした。

2月に支援に行った時、ミネラルウォーターを届けました。

漁師をしている小さい子どもを抱える父親は、慌てて、そのミネラルウォーターを受け取りました。水道が凍って水が使えない不安もあったかもしれませんが、放射能汚染のことを気にしているのではないかと思います。
漁師の仲間うちの中では、放射能の心配とか、一切、口には出さないし、なんとか産業を復活させなきゃという話になっています。
あくまで推測ですが、私たちが思うに、そこで採れたわかめとか出荷はすれど、自分の子どもたちには食べさせないんじゃないかと思います。
踏み込んだ話を私たちが出来る立場ではないので、現地で支援できることは支援している状況です。

【これからの展望と私たちの活動】

今の政治の様子を見ていても、だいたい2年の仮設住宅の住居期間が終わると、住む場所を国が確保するということはないように思います。

なので、2年後、仮設住宅を出されて、行き場のない人は多数出るものと思われます。
今回は、原発事故も含んでいます。

実際、関東圏でも、直下型の大きな地震が来るのではと言われています。

長い目で見ると、何年後かには、東北沿岸部じたい住むのは難しくなるかもしれません。
北海道に来たいという人も将来的にいると思われます。

私たちは、直接被災地に向かう支援に合わせて、11月より北海道の農業王国、十勝という場所にて、村づくりを行っています。
北海道にいる間は、東北の方とも連絡をとったり、手紙でやりとりをしながら、村づくりも並行してすすめています。
私たちが直接支援していく中で縁あって出会った人たちで、北海道に来たいという人たちがいたら、滞在してもらうシステムを作ろうとしています。
滞在する中で、北海道での暮らしも選択肢の一つとして考えてもらえればと思います。

なかなか、東北での長年の暮らしを手放すことは決断がいります。
なので、北海道で滞在することや交流しながら、北海道での暮らしも選択肢の一つとして検討するお手伝いが出来ればと思っています。

日本全体が、3.11の災害を機に、どのような暮らしを営んでいくのか?どのような価値基準で幸せを感じるのか?が問われました。
安全を振り返らず、便利さを追求する暮らしなのか?農業や漁業など、日本の伝統的暮らしを脈々と続けている暮らしをどうしていくのか?

私たちは、ローカルな単位の村づくりのネットワークが強固な絆になっていくであろうと考えています。
助け合いの精神で、各個人の得意技や個性をもちよった村づくりを実践する。
自然エネルギーを取り入れていく。
日本の伝統的な暮らしに耳を傾けて、実践していき、どんな災害が起きてもゆるぎない心でいる。
安全な食べ物を自分たちでまかなえるようにする。

震災で大きな経験をした地球家族と共に村づくりをしていこうと考えてます。
自立した関係で、一つの大きな家族のようにすすめていきたいと思っています。
災害時も国が助けてくれるとは思っていません。隣近所で住む人たちが力を合わせて、やはり災害時でも対応できるようにしておかなくてはなりません。

【みなさんからの活動支援金は?】

私たち災害救援ネットワーク北海道は、政府を介さない、非営利組織の団体です。
今回の活動も、みなさまからいただいた活動支援金でまかなっています。

燃料、フェリー代、高速代、炊き出しに使う足りない食材、調味料などいろんなものが費用でかかります。
車の維持費や食材を集めるための燃料代、機材などにも充当させていただいています。

また、出来るだけある材料で作っていきたいのですが、村づくりのための材料、機材や設備費用、東北の方の渡航費用なども今後かかってくるものと思われます。
引き続き、息の長いご支援をよろしくお願いします。

5月21日より、また、東北の南三陸町に1週間ほど、行きます。
仮設住宅の方も、家に閉じこもりがちな方も多いようです。
分け隔てなくいろんな地区の方が交流してお話ができるように、レスキューキッチンを使って、盛大に炊き出しをします。
また、仮設住宅の横に誰でもが使用できるコニュニティハウスが建設されました。
その落成式を兼ねての炊き出しです。
あとは、飲料水も運んでいきます。

本当にブルーミントンのみなさまの海を越えた友情に感謝です。ありがとうございます。
機会があったら、ブルーミントンまで行って、みなさんにお会いしたいです。

私たちの今までの活動や日々の活動はHPにて発信しております。
http://mouth-mountain.greenwebs.net/

何とぞよろしくお願いします。

災害救援ネットワーク北海道
山口 幸雄(やんじー)
    由里(アグネス)

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